フィールドワーク
高1FW 水俣方面:人間の尊厳と真の豊かさを探究する旅
高校1年生フィールドワーク水俣方面には28名の生徒が参加し、「人間の尊厳と豊かさを探究する旅」を目的として現地に向かいました。
1日目は吉永利夫さんの案内で親水護岸の水俣病慰霊碑でセレモニーを行ってから、茂道で杉本肇さん、実さんの漁船に乗せてもらいました。快晴の空の下、穏やかな不知火海はとても美しく、海の豊かさが感じられました。かつてはこの美しい海に有機水銀を含んだ排水が垂れ流され、死の海とされていました。夜は、肇さんご自身が体験されてきた水俣病の経験を語り、現地でないと分からない実情に触れました。
2日目は、「水俣病を学ぶ日」です。3つのグループに分かれて学びを深めました。患者支援を行いながら、当時の貴重な資料を保存・公開している「相思社考証館」と胎児性患者の方がいらっしゃる「きぼう・未来・水俣」、を訪問するグループ、水俣第一小学校5年生との交流を行った後、胎児性患者の坂本しのぶさんに話を伺うグループ、長年家族の水俣病を語れなかった経験を持つ吉永理巳子さん、高校生と共に『水俣食べる通信』に取り組んでいる諸橋賢一さんに出会うグループに分かれて学びました。フィールドパートナーの方の案内で、チッソ工場跡や八幡残渣プール、百間排水口跡など、水俣の町を歩いて往時の繁栄を想像することもできました。夜は、失われた命のバトンをつなぐ取り組みをされている医師・板井八重子先生の話に熱心に耳を傾けました。
3日目は、水俣市の7割を占める山間部に2グループに分かれて入り、愛林館と天野製茶園で、農山村体験、有機農業を体験して「真の豊かさとは何か」を楽しみながら考える機会を持ちました。最終日は、市立水俣病資料館見学と国立水俣病研究所で丸本倍美さんの取り組みを伺うプログラムを通して、記録を残す意味、そして、どのように記憶を継承したらよいのかを考えました。
水俣病事件の深刻さを学びつつ、自然の豊かさ、人のあたたかさに触れる旅となりました。これからは、一人ひとりが自分のテーマを更に掘り下げていきます。













