フィールドワーク
高1FW 水俣方面:人間の尊厳と真の豊かさを探究する旅
高校1年生フィールドワーク水俣は「人間の尊厳を探究する旅」「豊かさを探究する旅」として、現地に向かいました。
1日目は、エコパークで「祈りの言葉」をささげることからはじめます。長年お世話になっている茂道集落の杉本家の肇さん、実さんにお世話になり、漁船に乗せてもらいました。水俣湾は、大変穏やかでしたが、ここはかつてメチル水銀を含んだ排水が流され「死の海」と言われました。肇さんは、当時小学生ながらに漁をして一家を支えました。
2日目は、水俣病の学びを深める日です。生徒たちの関心に基づいたグループに分かれて学びを深めました。今年50周年を迎えた水俣病センター相思社(水俣病考証館・永野三智さん)と胎児性患者の方がいらっしゃる「きぼう・未来・水俣」を訪問するグループ。胎児性患者の坂本しのぶさん、元チッソ労働者の山下善寛さんに話を伺うグループ。長年家族の水俣病を語れなかった経験をもつ吉永理巳子さん、水俣高校の高校生と『食べる通信』に取り組む諸橋賢一さんに出会うグループに分かれました。夜は、失われた命のバトンをつなぐ取り組みをされている医師・板井八重子先生の話を聞きました。医療系に関心を持つ生徒も多く、熱心に聞いていました。いずれも半世紀以上たっても終わらない水俣病について理解を深める時間となりました。
3日目は、水俣市の7割を占める山間部に入り、愛林館、天野茶園で、農山村生活、有機農業などを体験し、夜に水俣高校の生徒とともに柏木敏治さんのコンサートを聴きました。最終日は、水俣病資料館と国立水俣病総合研究センターを訪問し、どのように記憶を継承したらよいか考えました。今年度は、メンバー全員で「記録誌」の作成を目指しています。現地で得たこと取材したことを1冊の本にまとめたいと考えています。